DIYオーバーホール後のSARB033

少し前に機械式時計を自分でオーバーホールしたという記事を投稿していましたが、どのくらいの精度で仕上げたとか肝心の結果について全く触れていませんでした。

理由は想像できる通りで、なかなか上手く組み立てることができず試行錯誤ならぬ泥沼に至っていたわけです。

スポンサーリンク

繰り返した分解と組立て

最初にムーブメントの組み立てが終わってから遭遇したのが、異常なほどの歩度の進みでした。

それと、同じく遭遇した不具合が極端な姿勢差です。

今回のオーバーホールは、対象とした時計がてんぷを抜き取られた状態の不動品ですので秒針が動いただけでも自分としては大喜びなのですが、やはりそれでは物足りなくて調整を繰り返していました。

コツがつかめないヒゲゼンマイ

機械式時計に尋常ではない進みが生じる場合は、ほとんどがヒゲゼンマイの汚れや絡みによるとのことです。

テンプ受とテンプ一式

てんぷの扱いには技術が必要

安定しない日差の原因を探りながら、ヒゲゼンマイを付け直し、または注油しすぎたであろう油を除去したりなどを繰り返すうちに、新品で購入したはずの6R15用「てんぷ一式」パーツは、結果的に手持ちのNH35のそれに置き換わってしまいました。

自分では手先が器用な方だと思っていたのですが、こと時計のオーバーホールには通用しなかったようです。

それから、ヒゲゼンマイの扱いは、ただ難しかったという話ではなく時計職人の方たちはおそらく専用の工具を持っているのではないでしょうか。

でないと、あれだけ小さく細いパーツをピンセットなどだけでイジるのは無理のように思います。

メーカーから供給される優れ物の治具などがあってもおかしくないレベルの作業です。

結果的に多くの部品を交換

大きな歩度の進みはヒゲゼンマイを正しくセットすることで解決できそうでしたが、姿勢差については見当がつきません。

原因を探るよりもパーツを多めに交換してしまったほうが、早く解決できるという判断にいたり、アンクルを含め「がんぎ車」に隣接して配置される部品を手持ちのムーブメントからごっそり移植することにしました。

その結果、最終的に組み上がったSARB033は日差がプラス数秒以内の精度になっております。

精度については予想外に満足行くところへ落ち着きましたが、機能的にすべて新品同様にというわけには行かず他にも不具合が存在しました。

自動巻き機構が不完全

組立の最後の方で、ローターを組み戻す前に自動巻きの輪列を動かしてみて分かったのですが、ローターの回転に対して自動巻き機構が1方向でしか巻き上げないという症状が確認できました。

巻き上げない自動巻き機構

おそらくマジックレバーか、関連する歯車を交換すれば改善すると思われますが、ここまで組み上がった時点で「てんぷ」が元気良く振ってくれていて、時間も初日の分解から数週間かかっているのと手巻きのみで使用すれば時計としては問題はなさそうです。

初の時計オーバーホール作業は、満点でなくても良いので文字盤と針を付けてケースに戻すことにしました。

素人作業としては上出来か

出来上がった機械をケースに収めてしまえば、外見上は普通の中古腕時計と見分けがつきません。

ですが、機械のパーツ一つ一つにまで手をかけた自分だけの時計としては愛着のある1本に仕上がったのは事実です。

OH後のSARB033

時の刻みを復活させたSARB033

今回手がけたSEIKOのSARB033は、長年の使用による劣化で、パーツの損傷により遅れなどの症状がでた個体を修理に出すことなく、てんぷを受けごと抜き取った部品取り後の個体だったようです。

自分でメンテナンスしてみて、メーカーのオーバーホールがムーブメントごと交換されてしまう理由が少し理解できたような気がしました。

自動巻き機能が上手く働かないことに関しては、また時間に余裕があるとき試してみたいと思います。

今回のDIYオーバーホールは自動巻きの機能が劣る部分が残ってしまいましたが、不動品を時計として時刻を表示できるレベルに回復できているので素人作業としては上出来ではないでしょうか。

行った一連の作業は、正確性を要求される難易度の高いものだとは身にしみて実感できたのは当然なのですが、自分で手入れをした時計に「より愛着がわく」ことも確信できるものでした。

後者の方は、オーバーホールを自分で実施することにより特に得たかったものでもあります。

こんな、時計に対して語れる愛着話(逸話なども)というのも、時計好きが時計と併せて同時に欲しがるものではないでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました