ランナーズウォッチに宿る特異な個性と存在価値

SOMAとSEIKOのランナーズ デジタルウォッチ

日常のトレーニングの記録には便利なスマートウォッチがすっかり浸透してしまい、その反面で影が薄くなってしまいがちなのがランナーズウォッチ。

身につけるアイテム拘りたいプロのアスリートなら使う意味がありそうなランナーズウォッチですが、趣味レベルの市民ランナーなんかだと多機能なスマートウォッチが俄然便利なように感じられランナーズウォッチは選択肢に上がらないように思われがちです。

スポンサーリンク

ランナーズウォッチの特徴

大手時計メーカーから発売されているランナーズウォッチの特徴は、小型でサイズが小さく軽量にできているということでしょう。

スポーツウォッチらしいカラフルな色

機能面では、ストップウォッチの性能が充実していて、ラップタイムを数多く記録することができるのと、ラップ用のボタンが時計本体の表示の下に位置していて押しやすくなっているの大きな特徴でもあります。

またベルト部分はシリコンなどの柔らかい素材が使われていて、ずれにくく手首にフィットしやすい作りになっています。

データを外部に保存できるスマートウオッチが有利

ランナーズウォッチの持つ特徴である優れたストップウォッチ機能ですが、実際にジョギングやランニングが趣味の方ならご存じと思いますが、スマートウォッチならGPSによる計測で設定した間隔で自動的にラップの取得が可能なほか、記録もスマホなどとリンクした際に自動的にクラウドに保存されるのが一般的です。

あらかじめ設定したペースより遅れた場合に電子音を鳴らすこともできてしまいます。

スマートウォッチが多少重かったとしても、心拍数などと併せトレーニングのログを記録できるという点ではスマートウォッチが格段に優れているのは否めません。

アスリートがランナーズウォッチを選ぶ理由があるとすれば、こうしたスマートウォッチの多機能ぶりが余計であり無駄だと感じるのではと想像します。

それから、トレーニング量に対しバッテリーが持たないということもありあそうです。

特化したフォルムによる存在感と意外な効果

SOMAのランナーズウォッチ

ランナーズウォッチは特にこだわりを持った本気のアスリートでなければ持つ意味がないのではと思ってしまいがちです。

実際に製造者であるメーカー側でもそうした部類の商品だと想定しきっているのかもしれません。

ただ、ランナーズウォッチを使ってきた経験がある個人の少数派意見の立場からこんなことも言えます。

防水性能に優れたダイバーズウォッチは、そのタフな外観から海でダイビングをしない人でも時計として使うことがあります。

それに対し、ランナーズウォッチは普段使いを前提として購入するにはデザインが個性的すぎるような感じがします。

屋外での活動的な場面では、ラフに使えそうなデザインでもありますがそうしたシーンではG-SHOCKが人気的には上位に来るのではないでしょうか。

つまり、普段使いでランナーズウォッチを身につけている人は、その本気度は別にして実際にランナーである可能性が高いのでは?という話です。

そして、時計であるかを問わず身につけることができるアイテムとして「こんなことをする人用」としてもっとも目的に特化して作られているのがランナーズウォッチなんだと言っても良さそうです。

自分がランナーであると強調したい人は少ないと思いますが、知り合った相手が腕にランナーズウォッチを巻いていたらランナーかもしれないと相手を知るヒントには繋がるかもしれません。

スマートウォッチと比較した場合のメリット

腕時計としては例外的と言えるほどの用途と個性に特化したランナーズウォッチですが、その存在はスマートウォッチにより影が薄くなっているように感じます。

SEIKOのスーパーランナーズ

そんな中で、スマートウォッチと比較した場合にランナーズウォッチが勝ると思われるメリットをあげるとするなら、頻繁に充電する必要がないことと、小型で腕にフィットし軽いということでしょうか。もう一押し優れた特徴があっても良さそうですが何せ無駄な機能を省いているのが特徴だったりするので、その潔さが最も重要なポイントかもしれません。

スマートウォッチのバッテリーの持ちが悪い点については、新しいモデルが出るたびに改善され多機能さの恩恵を受けるためには苦にならないと感じる人もいるでしょう。

また実力を発揮したいスポーツシーンで時計の軽さは重要ですが、それは本気を出したいレースシーンだけで良かったりするので普段のトレーニングでは心拍数なども計測できるスマートウォッチがやはり使えるアイテムとなりそうです。

こうなると、もはやランナーズウォッチはスマートウォッチに太刀打ちできないところまで追い込まれてしまったかのようですが、スマートウォッチにはその便利さから外すことができなくなってしまうという中毒性に似た性質を持っています。

身につけている時間が長ければ、トレーニングの記録だけでなくその間多くのライフログを取得できて、それを有効なデータとして活用できることは嬉しいことですが、これを続けていくうちに次第に手放せないものになってくることがあります。

この点で両者の大きな違いは、ランナーズウォッチは時間を計測したり表示するための時計だけの存在であるのに対して、スマートウォッチはトレーニングや日常生活を記録するためのデータロガー的な存在であるところ。

このデータロガー的なスマートウォッチに依存しきってしまうと、スマートウォッチが壊れた、または家に置き忘れたときに何か物足りなく感じてトレーニングに身が入らないことがあり得ます。

実際にはメンタルの強いアスリートは影響を受けにくいかもしれませんが、すべての記録が残せなければトレーニングに集中できないことになれば本末転倒であると言えるでしょう。

それに、本気のアスリートよりも数が多い趣味程度にトレーニングを楽しむ人たちや市民ランナーがその優れた機能を使い倒せたとして、それに見合った成果というのはどの程度のものなのでしょうか。

世の中で一番大切なのは時間、それも自分なりの価値観や指標に割り当てられた時間だという根っこの部分に基づいた機能を優先しているのがランナーズウォッチだと言えるかもしれません。

現行モデルとして存在しているランナーズウォッチはそれを知れせてくれる唯一の存在。できればいつまでも残っていてくれて欲しいものです。

タイトルとURLをコピーしました