時計のオーバーホールで使う油はメーカーで指定しているものを使うのが理想的。
4R35BならセイコーのAO-3やS-6、S-4などを揃えておきたいところでしょう。
使用頻度が多いAO-3とS-6
AO-3とS-6は、私も使っていてNH35Aやセイコーの4R、6Rでも使用できるかと思います。
NH35Aでは、メービスの油が使えますが機械的な特性が4R35Bと同じであるとすれば、注油方法も4R35Bと同じと考えて良さそうです
粘土の低いAO-3
セイコーのAO-3は小さな瓶に入っていて、中身は黄色み(見え方によっては緑?)がある透明で割とサラサラしたオイル。
ラベルの記載を見るとシチズン製ですが、セイコーの時計に使えます。
ペースト状のS-6
S-6のほうは塗り薬によくあるような容器に入っていて中身はペースト状のグリスです。
色が茶色ですが、経年による変化というより購入時からこんな色であまり変化はありません。
なお、使うときに少量だけ取るとこちらも黄色っぽい見た目です。
使用箇所が少ないS-4
4R35や6R15では、S-4が必要になるのはツメレバー(マジックレバー)の根本にあたる部分にしか使われません。
S-4は用途が限られるのとその価格から、他の入手しやすいモリブデングリスで代用できないかと悩むところですが、固めのモリブデングリスを使ってしまうとローターの動作に影響したりパーツを磨耗させたりといった影響があるでしょう。
実際のところ私自身は、他で使っている時計用のグリスではないモリブデングリスで代用していて、実用的な精度がコンスタントに出せるほど安定したオーバーホールが出来るようになってから購入したいと考えています。
精度が出せなくて何度も組立を繰り返すような段階ではS-4も猫に小判かという話ですが、それでも組み直す対象が自分にとって、かけがえのない大事な時計ならもちろん最初からS-4まで揃えて作業に当たるべきでしょう。