趣味で挑戦!機械式腕時計のオーバーホール【具体的な手順:SEIKO 6R15】

6R15のオーバーホール

趣味で機械式腕時計をオーバーホール(メンテナンス)できるようになるには、数々の失敗や課題の解決に取り組まなければならず多くの時間を費やす覚悟も要り簡単なことではありません。

それでも自分の時計に向ける情熱や好奇心から機械式腕時計のオーバーホールに挑戦するには、まず先に分解や組み立てといった作業全体の流れを概要として掴んでおくことが大事になるでしょう。

ここでは知識を深めるステップに移る前段階として知っておきたい各作業工程の流れをまとめてみました。

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趣味で挑戦する腕時計オーバーホールの流れ

一般に腕時計のオーバーホールは大まかに次のような手順を踏んで進めることになります。

  • 裏蓋を開けケースから機械を取り出し針と文字盤を外す
  • カレンダー周りの分解
  • 駆動系の分解
  • 操作系の分解
  • 地板とパーツの洗浄
  • 操作系の組み立て
  • 駆動系の組み立て
  • 動作の確認
  • カレンダー周りの組み立て
  • 文字盤と針を取り付けてケースに入れる
  • 精度のチェックと調整後に裏蓋を閉じて完成

これら手順のうち最も重要と考えられるのは「地板とパーツの洗浄」と「駆動系の組み立て」ですが、特にポイントとして取り上げるなら地板とパーツの洗浄をしっかり行うためには、素人の視点からは一見無駄と思われる操作系のパーツも分解しなければならないことです。

ここを適当に省略してしまうと納得できる仕上がりにはならず当然時計としての精度も回復できなくなります。ただし、限られた時間の中で趣味として作業に取り組むには「取り合えず初めてみるという決断やフットワークの軽さ」は否定できないもので、その辺のバランスは個々に異なる成果で見極めていただくしかないでしょう。

また、肝心の時計の部品を洗浄する方法はベンジンを使った「ハケ洗い」で充分かと思います。これは趣味の域だからといいうことではなく、洗浄に刷毛洗い以上の仕上がりを求めるとプロ並みの過剰な装備が必要になってしまうためです。

それから、一覧の手順のうち針の取り外しと取り付けの方法は多くの機械式時計と同じ共通のテクニックを用いることになりますが、ケースに固定されている機械の取り外し、および取り付けに係る手順は各メーカーでモデルごとに機械の固定方法が違っていたりするので、個別に判断して作業にあたることになります。

なお、セイコーの6Rxxや4Rxxの場合、機械の固定に樹脂スペーサーが使われていればケースからの脱着と文字盤の取り外しはしやすいかと思います。

6R15を使った分解と組み立ての具体的な手順

先に挙げたオーバーホールの流れのうち、取り出した機械(セイコーの6R15C)に焦点を当て具体的な分解と組み立てについて画像を中心に解説しているのが次に並べるタイトルのリンク先ページになります。

6R15Cでカレンダー周りの分解と組み立て

6R15Cでメインの駆動系パーツを分解

6R15Cで操作系の分解と組み立て【巻き上げ、時刻合わせに係る部分】

6R15Cオーバーホールの主要工程【駆動系パーツの組み立て】

以上の工程は、機械式ムーブメント単体の状態からのオーバーホールとして解説しています。

大手メーカーが手掛けるビジネスウォッチなどに使われる時計の機械は、補修部品(時計店向け)や外販向けといったものがムーブメント単体で購入できたりします。

腕時計から取り出した機械から針と文字盤を外して、そのムーブメント単体と同じ状態にしてから分解と組み立てを行っているのが、ここで個別のページに分けて説明している内容になります。

これらページでお伝えしているのは趣味の時計に関する知識を深めたいといった同じ目標を持つ方へむけてのヒントであって、必要なテクニックがすべて網羅されているわけでありません。そのため、他の情報サイトなども参考に技術を深めていただくきっかけとして役立てていただければと考えています。

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