分解したムーブメントの組立て【6R15:SARB033】

6R15の組み立て アナログ腕時計

趣味の時計いじりとして程良いところまで分解が進んだ6R15ムーブメントですが、今度は逆行程の清掃と組立に移ることにします。

今回もまた欲張らず身の丈に合った作業内容に則り進めることになりますので、本気の仕上がりを求める方には参考になりませんのでご注意ください。

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清掃が可能なパーツ

時計屋さんのように超音波洗浄機など備えていませんので、と言い訳しようと考えていたら、ネットで販売していました。

腕時計の部品に使えるかどうかは微妙ですので、今回は軽く見送ります。

さて、分解時に明らかに汚れが確認できたのはローターの内側でした。

それ以外にも、私と前の所有者が付けたであろう指紋が各パーツにペタペタと付いているので、これらをなんとかしたいところ。

ローターの汚れ

ローターについた黒い汚れ

分解時に最初に取り外したローターに黒く目立つ汚れを見つけましたが、モリブデングリス(素人の想像)なんかでしょうか。

ローターの回転軸付近に塗布したグリスが巻き上げ時に飛び散ったのでしょう。

こういうの見ると時計したまま風呂にはいるとか、いかがなものでしょう。

汚れを拭いた回転鐘

この汚れ、どう処理するのが良いのかとりあえず手元にあった揮発性の液体(この場所に使ってよいのか分からず大きな声で言えません)で綺麗にふきとりました。

しつこくこびり付いて取れませんが、デリケートな部品ですのであまりゴシゴシやると影響がでそうですのでこの辺にしておきます。

地板についた脂

地板についた皮脂

次に気になった汚れが地板についた汚れと傷です。傷は前のオーナーが修理かメンテを試みて付けてしまったようです。

傷は磨くなり交換しなければなりませんが指紋などの脂汚れは拭けばなんとかなりそうです。

というワケで、地盤もローターと同じ方法で汚れを除去しました。

注油と組立て

清掃が済んだところで、順にパーツを組んでいくことになります。

時計の部品に注油

分解の時の逆ですが注油という作業が加わってくるところが大きな違いでしょうか。
その他の要領は分解の逆と理解していますが、小さな部品ばかりなので神経を使います。

針を取り付ける軸

分解の行程に載せていませんでしたが、最初に針を取り付ける軸を設置しました。

主軸が組み上がったところ

このあと、文字盤側は思っていたより割と簡単に元に戻せました。

テンプが抜けたムーブメント

ローター側(表)も分解と逆の手順で部品を載せています。

組み上げたテンプ受け

この置き方はNG

手巻きでゼンマイが巻ける状態まで組み上げたところで、てんぷ周りを取り付けることにしました。

※こうしてヒゲゼンマイを伏せて置いているのは、もってのほかだそうです。

不動のジャンク品で手に入れたこの6R15は、もともと「てんぷ」が受けごと取り除かれている状態でしたので、自分は外した経験さえない部分。

6R15の地板とてんぷ一式

そこで慎重に組み込もうとするわけですが、これが何度か繰り返して置いてもヒゲゼンマイが上手く振れてくれません。

時計DIYオーバーホールの難関、テンプの入れ方について試行錯誤する
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ある程度の角度を持たせた状態でてんぷの取り付けスペースに合わせたあと、ムーブメント本体を回転させながら受けを置くというやり方のようですが、この作業、技量は当然のことながら使う工具もそれなりのものを用いないと上手くいかないのではないかと思います。

組み上がったムーブメント

やっとのことで仕上がったムーブメントですが、作業が予想以上に手こずりましたので、分解の時と違い途中で写真を撮る余裕はありませんでした。

慣れている方にとっては朝飯前のことなのだろうとは想像します。次に自分で分解するときは、てんぷ回りは組んだまま・・なんて考えましたが時計のオーバーホールは主ゼンマイを緩めてからテンプを外す作業を先に行うのが一般的なようです。

組立て上の注意点

ムーブメントに針を付ける

機械のくみ上げが済めばあとは文字盤と針を載せてケースに収めることにします。

ケースに戻された6R15

趣味の時計いじりとしては完璧な作業をできないわけですが、気づいた注意点が一つありました。

それは、角穴車の押さえネジは完成後に増し締めしないほうが良いということ。

分解時にゼンマイを解放するときに押さえるネジですが、自動巻き機構を組んでしまってから更に増し締めしようとすると、関連する歯車に負担がかかり痛めてしまいそうな感触がありました。

これまでの経験上わかった唯一の注意点ですが、分解時も組立時も注意を払わなければならない部分のようです。

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