機械式時計でこんな症状があったらオーバーオール【メンテナンスのタイミング】

時計のケースを開けたところ アナログ腕時計
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手巻きや自動巻きなど機械式で動く時計をオーバーホールに出すタイミングは、時計のメーカーやモデルなどにより様々ですが、おおよそ3~4年と言われています。

こうした使用期間による見込みのほか、表示される時刻が遅れたり止まるなどの症状が見られたら一度専門店に見積を依頼するなど相談してみたほうが良いでしょう。

今回は、そんな機械式時計を使い続けた際に訪れるメンテナンス時期を判断するために参考になる症状についてのお話になります。

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時計のメンテナンス(OH)が必要な症状

機械式時計をタイムグラファーという機器で測定してみると、正常に動く時計でも季節による温度差や、ゼンマイの巻き上げ量、姿勢などの条件により制度が常に一定ではなく、測定する環境によってまちまちであることがわかります。

マイクに時計を取り付け

しかし、こうした使用環境により見られる精度の差を著しく超える遅れや進みがあれば、オーバーホールなどメンテナンスが必要と考えても良いでしょう。

このように体感的に分かる誤差を含め、オーバーホールが必要な症状や状態の例としては次のようなものがあります。

使い込んだ時計の不具合

  • 過度の進みや遅れがみられる
  • 運針が止まる
  • 手巻きの感触が重い
  • 自動巻きのローターが動くときに振動(ゴリゴリ音)がある
  • カレンダーが切り替わらない

以上が、オーバーホールが必要とされる主な例です。これらの項目についてもう少こし細かく解説していきます。

過度の進みや遅れがみられる

普段、時計を日常使いしていて日ごとの進み具合が内部に使われている機械の仕様を大幅に上回る(数10秒から場合によって1分以上)場合で、この症状が日増しに悪くなっている、またはある日を境に目立つようになったなら機械の不具合が考えられます。

この進み傾向の不具合は磁気帯が原因であることも考えられ、磁気抜きで進み傾向が改善する場合もありますが、私たち一般ユーザー(持ち主)が磁気帯びかどうか判断するのは簡単ではありません。

もちろん、磁気帯び以外の機械的な不具合により歩度の進みが生ずる場合もあります。

それから、自動巻きや手巻きなどの機械式時計を使い続けていくと、時計に使われている小さな部品が油切れを起こすなどで、少しずつ示す時刻に遅れが生ずるようになってくることがあります。

時計は、遅れ傾向にあるより進みが出ていたほうが良いと感じる人も少なくはないでしょう。

手巻き時計のムーブメント

遅れが数秒程度なら良いのですが、日時の経過に伴い徐々にこの遅れが大きくなるようであれば早めにオーバーホールに出したほうが良いでしょう。

機械式時計を大事に扱いながら過ごしていくなかで、徐々に歩度が遅れ傾向になり進行していくというのは、時計を使いこむことによって起きる部品の汚れや油切れの典型例です。

時計の経年劣化は、メーカーやモデル、搭載している機械の仕様により様々であり一概に特定の評価をすることは無難ではありませんが、一定年数が経過したあとに徐々に遅れが進行していく症状は、時計を長く使用していて自然に起こりえる現象であり、大事に無理なく扱ってきた証であもあります。

時計に遅れが出て治らないことは喜ばしいことではありませんが、長い間、お気に入りの時計を愛用できたという事実は誇らしいこととも言えそうです。

運針が止まる

時計のゼンマイが十分に巻き上げられているにも関わらず秒針が停止してしまうケースでも、先の進みや遅れに同じく部品の摩耗や損傷が考えられます。

時計としての動きがすべて停止してまうと、一見、進みや遅れなどに比べ重症な印象を受けますが、時計の機械を分解して診断し必要により部品の交換などを行うことになるので対処方法は通常のオーバーホールとそれほど変わりはないと思ってよいでしょう。

止まってしまったまま動きが再開しないようなケースでは、素人目に見ても部品の破損がありそうで不安ですが、一度時計店へ相談し症状を伝えて対応可能かどうか聞いてみる方法があります。

手巻きの感触が重い

手巻き時計のリューズ

手巻き機能が付いた時計では時計の使用年数によって竜頭を手で回したときに重く感じることがあります。

場合によっては、無理に回すことで時計を壊してしまうのではと心配になることもある巻き上げ時の不快な感触ですが、これも、原因が直接巻き真周りだったり、主ゼンマイに関する部分だったり、または自動巻きとの切り替え部に由来するものだったりと時計に使われている機械の種類によって様々なようです。

これら手巻き時に感じる重さなどの違和感もオーバーホールに出すことによって解消される可能性もあるので、すでにOH推奨時期が達していて手巻き時に不具合があるならオーバーホールに出してみると改善が期待できるかもしれません。

なお、こうした症状があることについては手配時に時計店にあらかじめ伝えてくと良いでしょう。

自動巻きのローターが動くときに振動(ゴリゴリ音)がある

自動巻き時計を長い間使いこんでくると、腕を動かしたときに伝わる時計のローター(回転錘)の動きにノイズのような振動を感じるようになります。

もっとも、時計内の他の部品に同じく数年の長期間にわたって、微小にもたらされ続けた劣化によるものなので時計を身に着けている本人には気づきにくいものかと思われます。

時計の中でローターが揺れたり回転するたびに、もとはスムーズに動いていたものがベアリングの油切れや消耗によって、ゴリゴリ、またはシャラシャラといった、かすかな抵抗が生じます。

こうしたローター軸の摩耗がほかのパーツとの干渉や損耗を招くことあまりないと思われますが異音が発生している場合は要注意です。他の駆動系のパーツなども油切れや劣化が生じていると考えて間違いないでしょう。

カレンダーが切り替わらない

自動巻き時計のカレンダー

アナログ時計にある不具合の一つに、1日の単位である24時間を経過しても日付が切り替わらなくなるというものがあります。

この手の故障で、特に日付の修正を本来さけなければならない夜間にやってしまっていたことが原因であれば、修理せず自然に直ることはないと考えて良いでしょう。

仮に日付の切り替えが効かないのが特定の日に限っている症状でも、使い続けた先に状況が悪化することがあっても良くなることは期待できません。

時計店に修理を依頼することになるので、ついでにオーバーホールも頼んでしまったほうが良いでしょう。

通常、腕時計のオーバーホールでは針や文字盤を取り外して日車(数字の輪)まで外すことになるので、当然使用期間にもよりますが数年使用している時計なら特定部品の交換による修理ではなくオーバーホールを兼ねての作業を頼むほうが後々の手間や費用も減らすことができ効率的だと考えられます。

以上が、通常の使用で発生しやすい不具合の症状ですがオーバーホールを頼む際に(見積を依頼するとき)これらの症状が生じていることをあらかじめ伝えておいたほうが良いでしょう。

もちろん、明らかに不具合が確認できる症状が全くない場合でも参考とされる経過年数が過ぎていればオーバーホールに出す必要がないわけではなく、時計を長く使う上でも早めに対応したほうが良いでしょう。

オーバーホールの時期を遅らせてしまうとどうなる?

機械式時計のムーブメント

適正なメンテナンス時期は、ネットに様々な情報がありますがメーカーの取り扱い説明書に記載されている年数が最も参考になります。

これら一般に数年とか言われる推奨期間を過ぎて使い続けた場合に心配される時計への影響というのも気になるところです。

機械式時計は部品点数も多く、メーカーや機械の種類ごとにも特性が異なるのでメンテナンス無しでどういったトラブルがもたらされてしまうのかは一概に断定できません。

共通して考えれれるのは、時計内部で油切れによる部品の消耗が続くこと、これに汚れの蓄積も加わり可動部の抵抗が増して機械全体に負担がかかり続けることになります。

専門的な難しい理論を除いて、わかりやすく例えるならオーバーホールをせずに長い期間時計を使い続けることは、疲弊しきってしまった機械を腕に巻き酷使し続けることになります。

こう考えると、メンテナンスの推奨期間を過ぎた時計をオーバーホールなしで使い続けることはあまり気分が良くないとだと言えるでしょう。

オーバーホールをどこに頼むか迷ったら

腕時計の機械

長年使い続けてきた時計に気になる症状がでてきた。または、そろそろオーバーホールに出さなくてはならない頃だと気づいたとき悩んでしまうのが、どこの時計店にオーバーホールを頼むかです。

時計メーカーへ見積の問い合わせをしてみたが、回答された金額に驚いたなどという話はよく耳にすることがあるでしょう。

某高級時計ブランドなどは少数のノンデイトモデル以外は他社と桁が違ってたりして驚きます。

こうした価格の面から地元にある町の時計屋さんへ頼もうとしても、今の時代では時計店そのものが数が少なく、現在ではネットで時計を購入する機会も多いことから、購入店ではない町の時計店にオーバーホールを頼むのも気が引けてしまうということがあります。

またオーバーホールで気になるのは値段の他にも、申し込んでから時計が手元に戻ってくるまでの期間です。

メーカーなどでは、手配の時期や混み具合にもよりますがオーバーホールに出してから1か月程度の期間でスケジュールが設定されることもあります。

自分のお気に入りの時計であれば、時計は手元に早く戻ってきてほしく、さらに腕利きの時計職人のもとで価格も自分の理想に近く抑えることができるのが理想でしょう。

そんなとき、メーカーや町の時計店より便利に利用できるのがネットから手配が可能な時計オーバーホールの専門店ALLU WATCH REPAIR

時計オーバーホール専門店ALLU WATCH REPAIR

ALLU WATCH REPAIRでのオーバーホールなら見積依頼もネットからできて作業にかかる期間も比較的短かめなのがポイント。

数多くの時計ブランドやモデルに対応できるので、とりあえず問い合わせしてみる価値はあるでしょう。

「時計を長いこと使い続けているがそろそろオーバーホールでどうしていいか迷っている。」そんなモヤモヤした思いを抱きながら大事な時計を酷使するのは気分的にもよくありません。

時計は、人が唯一あたりまえに身に着けられる機械であり、時間の確認といった機能面のほかにデザイン性をもった個性を発揮できる装飾アイテムでもあります。

オーバーホールにより機能を復活させた時計を身に着けることは、時計によりもたらされる充実感をも新鮮なものに蘇らせてくれることでしょう。

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