7S26を搭載したSEIKO5の機械をNH35に載せ替えるとき、スペーサーを7S26用に付け替えることなくそのままケースに入れることができれば簡単なのですが、もとの7S26用のスペーサーを使わなければNH35を上手くケース内に固定できないことがあります。
NH35のスペーサーがそのまま使えるかどうかは、SEIKO5のモデルなどによると思いますが、手元にある適合しなかった2つのスペーサー(中枠)について違いを調べてみることにしました
NH35への換装でケースの中で機械が安定しない
7Sムーブメントを搭載したSEIKO5にNH35(36)を使用するには曜日を表示する曜車が適合するかとう課題がありますが、今回は文字盤をノンデイトにカスタムすることでこの課題は回避しています。
使用する時計ケースは裏蓋に7S26-01V0と記述があるオーソドックスなビジネスウォッチもでるのSEIKO5。
リューズが4時位置にある最もファイブらしいレギュラーモデルです。
文字盤を日付表示のないノンデイトにしてしまえば、NH35はポン載せ可能だろうと踏んだわけですが、できあがったファイブケースのカスタム時計は左腕を動かしたときにカタカタする症状が出始めてしまいました。
裏蓋をしっかりしめても中のNH35が十分固定されていない様子です。
7S26とNH35用のスペーサーの違い
原因を特定するためNH35に載せ替えたカスタム時計と、同じモデルでノーマルな7S26のままのSEIKO5を並べて比べてみることにしました。
左のグレーのスペーサー(中枠)を装着しているほうがNH35、右の黒いスペーサーが標準の7S26との組み合わせのままな状態です。
この2つを比較してみると、NH35のグレーのスペーサーではケースに切られている雌ネジの山が完全に見える状態。
右側のノーマルなファイブではネジ山の下の一部が黒いスペーサーで隠れている状態でした。
このことから、ノーマルな黒のスペーサーだと裏蓋を閉じることで完全にスペーサーを押さえられる仕組みになっているのが分かります。
一方グレーのスペーサーでは裏蓋のネジ部の先端がスペーサーに当たりきらず、中でムーブメントが動いてしまっていったのがガタつきの原因であったと推測できます。
2種類のスペーサーを比較
2つのスペーサーを単体で並べてみると黒いほうが少し高いサイズなのが分かります。
形状は似ていますが、作りが複雑なので全く同じかどうか少し見た感じでは判断できません。
小さな突起を除いた部分の高さを計ってみると、黒いほうが3.24mm、グレーのほうは2.61mmと約0.6mmの違いがありました。
この高さがある黒いスペーサーにNH35を入れてみることにします。
装着はできましたがピッタリと馴染んではいない感じ。
文字盤と針を取り付けてケースに戻してみたところ隙間なくピタリと嵌りました。
スペーサーの交換前よりネジ山部分がNH35用のときに比べ隠れているのが分かります。ノーマルな7S26の状態と比べるとまだ低いようにも見えますが文字盤の厚さが影響しているのかもしれません。
その後、裏蓋を閉じて針の動きに問題が無いか確認をしてから腕に巻いて使ってみましたが、これまでのように中の機械がカタカタ動いたりローターが擦れるような症状は見られなくなり安定した動作が確認できました。
ケースの内部で機械が完全に固定出来ているか裏蓋を閉じた状態では確認でず、文字盤を変更している影響も否定できないため、もうしばらく様子を見る必要がありますが、純正ケースへでNH35(36)を使用するにはスペーサーはもとから使われていた形状のものへ付け替えるのが無難なようです。