ガーミンのGPSウォッチForeAthlete620Jで傷が入ったLCDを交換してみました。
620JのLCD(液晶)はタッチパネルが採用されていているのがポイントなのと、当時としてはGPSウォッチがまだランナーの間にも浸透しきっていない頃のモデルでトレーニング後にPCで確認できる地図などのデータが日本語表示に対応していたかどうかの境目くらいではないでしょうか(当時は、そんな理由からガーミンユーザーでなかったのを覚えています)。
そのため620Jは製品として出回っている数も少ないものと思われます。
状態が良い中古LCDパネル
交換パーツとして用意したLCDパネルは同じ620Jの動作不良品から取り外したもので使用感の少ない美品です。
この世代のGPSウォッチは時計として普段使いすることは少なく、トレーニングの前に充電をすませてウェアやシューズと同じく走るときにだけ身につける使い方を人の方が多かったのではと思います。
そのせいか交換部品として使うLCDパネルや交換対象の本体も見た目は傷が少なく程度が良いです。
それに比べ最近のライフログの計測にも力を入れている現在主流のモデルは場合によっては寝る時も含め常時身につけることが増えたせいかケースの汚れや傷は目立つような気がします。
傷の入ったLCDの取り外し
LCDの取り外しには画像のような0.1mm厚の板状の工具を使います。作業は事前にドライヤーでLCDの外周部分を温めてから行い、進行具合によって途中でもドライヤーをあてています。
画面の下側にはケーブルがあるので右斜め下から左下に向けて浅く慎重に差し込んで移動させたあと、画面下部分はさらに浅くなぞる程度にしています。
途中である程度隙間が確保できたら、スマホのバッテリー交換などで使われるプラスチック製でギターピック状の工具に替えて外周の隙間を広げていきます。
LCDの接着部が剝がれると画像の中央にあるとおりフィルムケーブルのコネクタが2つ見えます。
このうち左側の白く小さいものは上部を手前から上へ引き起こしてロックを外すタイプ。
右側はケーブルの先端を上へ引き抜く(表面を剥がすように持ち上げて外す)タイプのコネクタです。
基盤を外してバッテリーを交換
LCDを外すとメインの基盤が現れます。LCDの交換はこの状態で可能ですが今回はついでにバッテリーを交換してみます。
基盤はネジ2本でケースに固定されているのでT5のトルクスドライバーを使ってネジを外します。
白いラベルが貼られているのが620Jの純正バッテリー。620J用のバッテリーは社外品の流通も少なく貴重なので取り外して代用品を取り付けることにします。
今回代用品としてForeAthlete735XTJから取り外した純正バッテリーを取り付けてみました。
電圧など仕様上わずかな違いがあるので本来NGな組み合わせですが、ここではテスト目的で入れ替えてみることにします。
バッテリーの配線はコネクタ接続ですが基盤への接着は両面テープを使用しています。この両面テープを使った基盤への固定は735XTのバッテリー交換動画などが参考になるかと思います。
バッテリーの固定が済んだら基盤を元通りケースに固定します。
交換パーツとして用意していたLCDのケーブル2本を基盤に接続し、ここで電源ボタンを押してウォッチが正常に起動できるか確認します。
交換したLCDをケースに接着
ケースとLCDパネルの接着にはスマホの画面脱着でお馴染みの接着剤B-7000を使います。
このForeAthlete620Jでは接着剤の塗布はケースの縁だけにしています。というのも今後の利用目的が限定的なのとLCD側にも接着剤を付けると後ではみ出た部分の除去が面倒になるためです。
なお、このモデルでは本来LCDとケースの接着には両面テープのような粘着剤のようなものが使われていましたが、LCDを外した段階で綺麗に除去してあります。
LCDをケースに貼り合わせた後は、これも他機種用で購入したバッテリーに付属の吸盤を画面の保護シート代わりにして洗濯ばさみ2個でウォッチの表裏を挟み込み接着剤が硬化するまで固定します。
修理が完了したガーミンウォッチの使い道
接着剤が硬化後にGPSの捕捉を含め動作チェックを行ってみましたが問題はないようです。
少し気になるのはこの世代のGPSウォッチはボタンを押すたびにビープ音が気になるのですが、このビープ音を消す方法が分かりません(もしかして消せない?)。
ForeAthlete620JはランニングウォッチやGPSウォッチなどと呼ばれ、スマートウォッチが一般的になるよりも前からランナーの間では親しまれていたスポーツウォッチです。
今では一昔前のモデルとなってしまったガーミンForeAthlete620Jですが、ある意外な用途に使うには心拍計用のセンサーが本体に搭載されていないことはメリットになります。
当サイトで以前に書き込んだ通り、機械式時計の愛好家としては普段使いの時計をメカニカルウォッチに回帰させたい狙いがあります。
そこでバッグなどに括り付けているときに本体の内側にある心拍計が点滅しない旧式のGPSウォッチなら、ウォーキングなどの軽いアクティビティ計測に使えるのではないかというのが今回の時計メンテナンスの狙いというわけです。
心拍計を利用しない設定は最新モデルのガーミンウォッチでも可能ですが、この先リストウォッチとして使わないのなら元から心拍計のないGPSウォッチが一つあっても良いというのが特別な指向かもしれない一人の時計ファンの考えです。
そんなことで、今回の作業により必要なデバイスは揃ったのであとは創意工夫によりメカニカルウォッチとの併用を楽しむことにします。
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