手巻きの魅力に目覚めてから気になっているのが懐中時計に使われているETA6497の機械。
全てのパーツが一回り大きくて扱いやすいのと性能が安定していてメンテナンスが楽そうです。
これを腕時計用のケースに入れるために調べてみました。
ETA6497が入った懐中時計
真鍮かと思いますがゴールドのケースに入った銀色の機械がいかにもアンティーク感があっていい味だしています。
地板にある刻印がETAではないので当時モノのユニタスなのでしょうか。見分け方が今一つ分かりません。
振動数は18,000bphと大きなテンワがゆったり動いているところに趣を感じます。
腕時計用との違い
このユニタスの機械ですが見慣れてくると、時計用に使われるETA6497と違いがあるのに気づきます。
ケースへの固定
腕時計用との違いの一つが一番受けの形状です。
同じユニタスのものを二つ並べた画像ですが、片方は時計のケースに入るように加工してしまっています。
懐中時計のユニタスはケースへの固定に使われる止めネジが一番受けとケースの内側に共に接触して締め止めるような形状になっています。
これを時計用のケースに流用しようとすると、画像のように先端を削り落とさないとクランプを使ってケースに固定できません。
文字盤の固定
文字盤の干支足を固定するネジが地板の側面にあるのも腕時計用のETA6497と異なるようです。
ツツ車の高さ
それから、腕時計へ転用したときに使う文字盤にもよりますが、特殊な構造で作られた厚みのある文字盤を使うと筒車の先端の突き出しが少なく時針を付けたときに9字位置のスモールセコンドと干渉してしまいます。
サンドイッチダイヤルなどを使いたいときは筒車と筒カナなどは、文字盤に合う高さの部品へ交換が必要では?と思われます。
腕時計に使われているETA6497-1の部品と一度比べてみたいところです。
輪列の並びを確認
せっかく分解したので輪列の並びをチェックしておくことにしました。
注油だけでも、ちゃんと済まそうとすると全バラ必須なのはどの機械式時計も共通のようでユニタスはパーツが大きいので組みやすく躊躇無く二番受けを外しました。
2番車、4番車、3番車の順に外しています。
取り付けは逆の順番でよろしいかと。
ガンギ車はどのタイミングでも取り出せるので覚える必要はなさそうでうすが、アクシデント回避を考えると先に外しても良いですかね。
後は簡単に掃除と注油をしながら組み立てますが、腕時計用ケースへ組み込む際に注意しなければならないのは、筒カナの軸の高さと文字盤の厚みの関係、それから最終的にケースに収める際には固定方法が異なるといったところのようです。
先のタイムグラファーアプリの記事でチラ見せしてしまっていますが、ETA6497は機械式時計の基本スタイルが整ったムーブメントで時計好き人間の所有感を満足させてくれるものでしょう。
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