時計を複数持つ人の間ではアナログ時計のデイト表示は無いほうがすっきりして良いという考えがあります。
一般的にみると、ないよりはあったほうが好まれる腕時計のカレンダーですが無いほうが良い理由はどのようなものでしょう。
デイト表示がいらない理由
腕時計に日付表示が要らないと感じる理由は、日数が31日に満たない月に修正操作が必要であることと、久しぶりに使用したいと思った機械式時計を持ち出す際に時刻だけでなく日付まで合わせなければならないから、といった二つの理由が考えられます。
電波時計やパーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)といった自動で修正してくれる機能を持つ腕時計を除き、日付の修正が必要な回数は年に5回やってきます。
2月、4月、6月、9月、11月が該当する月ですが、この修正が必要な年5回という回数やタイミングが規則的とは言い難く普段から意識しにくいものです。
ゆえに、つい月末の日付の送りを忘れてしまうというのもありがちで、こうなるとビジネスの場面では電波時計が便利で自動巻きによる自分だけの時間を持ち歩くということが不可能になってきます。
しばらく置いた時計もすぐ使いたい
逆に休日など、お気に入りの機械式時計を身に着けて外出したいと思ったときに、時刻だけを調整して日付はいい加減でいいということはなく日付表示があればそれも合わせておこうと思うのが普通でしょう。
せっかく付いている機能ならば合わせて使いたいところです。
ところが、多くのアナログ時計では日付送りの操作を夜間に行っては行けないという仕様上の制約があります。
場合によっては説明書通りの時間に針を移動させてから日付を設定しないとムーブメントを壊してしまう恐れがあるので注意しなければなりません。
時計好きの方にはワインディングマシンという便利なものをお持ちの方も少なくはないでしょう。機械を使用して事前に巻き上げて調整しておくのも手ですが、設置して取り出すというのも手間ではありますし「時計が好きなのであってワインディングマシーンまでは要らない」という考えもあります。
カレンダーもデザインのうち?
腕時計にはデイトカレンダーが要らない理由は分かる人には頷けるものであると思いますが、現実には殆どの時計がデイト表示を搭載しています。
いらないと思っても時計メーカーがシツコイように装備してくれていて、大手時計メーカーのモデルを見てもデイト表示機能を持たない時計というのは限られており、そのデザインが気に入るかどうか選択肢も少ないのが事実でしょう。
こうまでしてデイトカレンダーが搭載されてしまう理由は、共通して使用されるムーブメントにもともとカレンダー機能を搭載していてカレンダーを必要としないモデルでは、表示が可能であるデイトカレンダーをわざわざ隠すことになるので勿体ないというのが考えられます。
また、共通して3時の位置に置かれる日付表示はある意味一つのアクセントとも言えるでしょう。
左右対称のデザインよりも片側だけに小さなワンポイントがあったほうが見た目の評価が良いのかもしれません。しかも、もともと機械自体にその機能が備わっているのなら隠さず表示窓を付けるのは賢明な判断です。
日付合わせさえも楽しもう
腕時計にこだわりがない限り、日ごろ使う腕時計には電波時計を選んでおけば困ることはありません。
特別な思いがあるとか腕時計で自己表現したい人の場合、いわゆるノンデイトの時計を選びたいと思うことがあります。
しかし、そんな考えに至ったときでも時計メーカーが出す最新モデルは非情なまでに日付表示カレンダーを備えていて選択の余地があまりにも少ないものです。
時計選びで見た目は重要な要素ですし、日付表示の有無に頑なに拘るよりある程度割り切らなければならないのが実際のところです。
そんな事情から、プライベートな日にデイト表示ありの時計を身に着ける際には、これから自分は大好きな時計を腕に巻いて出かけるので、その為に必要な儀式である日付合わせも丁寧に行おうという心がけを持ちたいものです。
逆に、お気に入りの時計を身に着けられる特別な時間を得られることをありがたく感じ、休日には時間的な余裕を意識するのが大事だとも言えるでしょう。
時計に興味を持ち出すと、どうしてもノンデイトのモデルを好みがちになりますが普通にデイトカレンダー搭載機を使いこなせる生活が、余裕がある生活であり私たちの理想であることを時には思い出すことが必要なようです。
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