ここのところ続いていた時計イジリを一休みして腕時計本体のレビュー記事になります。
自分では、いろんな意味で本物の手巻き時計として評価していますHamilton Khaki Field Mechanical H69429901。
ここ最近、自分へのご褒美として入手しました。
ハミルトン カーキH69429901
ハミルトンのカーキと言えば、ちょっと時計に詳しい人なら「あぁ~あの時計ね」と例のミリタリーな形を思い浮かべると思いますが、なんとも覚えづらい型番。
H69429901はケースサイズが竜頭を除いて38mmの今風の大きさでブラウン文字盤、末尾の2桁が異なるH69429931は色違いのブラック文字盤(ベルトの色も異なる)で末尾31のほうが、従来の「Khaki」の色に近いイメージですね。
このカーキ・フィールド・メカ「H69429901」は手巻きカーキとしてはETA2801-2を搭載した最終モデルで、後継のH69439901にはパワーリザーブ80時間のH-50が採用されています。
38mmサイズのETA2801搭載モデル
現行のH69439901に搭載されるH-50はパワーリザーブが80時間と長くなったことで振動数が28,800bphから21,600bphへ引き下げられています。
ハイビートに拘りがなければ、このムーブメントの仕様変更は一般的に精度差を気にするほどではないでしょう。
手巻きそのものが珍しい時代にロングパワーリザーブはありがたいものです。
しかし、時計好きにとって従来のETA2800系の部品の使い回しが出来ずにメンテナンスや部品の入手が難しいのではという点で気になります。
ちなみに、H69429901のケースの厚みは9.1mmですがH-50を搭載した現行モデルはケース厚が10mm(9.5mmという情報もあり)とわずかに厚くなっているとのこと。
文字盤カラーと型番
カーキ フィールド メカは現行モデルを含め、時計の色と型番の判別が難しいので表にまとめてみました。
ETA2801-2搭載機種
型番 | ダイヤル色 | ストラップ |
---|---|---|
H69429901 | ブラウン | ベージュ |
H69429931 | ブラック | グリーン |
ETA2801-2搭載モデルで2020年12月現在で公式サイトに残っているのはブラウン文字盤のH69429901だけでした。
H-50搭載機種
型番 | ダイヤル色 | ストラップ |
---|---|---|
H69409930 | ブラック | グレー (ブラックケース) |
H69439411 | ホワイト | グリーン |
H69439511 | ホワイト | ブラウン皮 |
H69439531 | ブラック | ブラウン皮 |
H69439901 | ブラウン | ベージュ |
H69439931 | ブラック | グリーン |
H69449861 | ブラック? | グリーンカーフ |
H69449961 | ブラック? | グリーン |
H-50のモデルは種類が多く調べ切れず特にH69449861、H69449961の文字盤の色が現物でしか分かりません。
販売サイトではGREENとなっているのでダークグリーンでしょうか。
H69429901は優しい装着感
ハミルトン カーキの1から24までしっかり描かれたダイヤルと定番のNATOストラップといった特徴が以前は好みではありませんでした。
ところが、気取らないブランドでそこそこな性能を持った手巻き時計というのを探してみるとHAMILTONのKhakiに辿り着くことになります。
今の時代に手巻きムーブメントそのものが珍しく、さらに信頼できるメーカーのものとなるとETA2801-2(またはH-50)一択になるでしょう。
グランドセイコーの手巻きもありますが、サラリーマンには装着するワクワク感がない時計です。
見た目も地味と言うより、余計なものをそぎ落とした3針・ノンデイト・手巻きのシンプルさは親しみが沸きます。
特にケースの薄さはクォーツ時計に迫るほどです。
気になる装着感は、20mm幅のNATOストラップというのが意外なほどソフトな付け心地。
金属にも皮にもない柔らかさと、暖かみを感じ、重量が軽いこともあって非常に快適な装着感です。
今までの自分の金属ブレス主義は何だったのかと言ったところ。
カーキ フィールド メカニカルのH69429901は手巻きノンデイトという狭い市場でH-50搭載モデルが広がりつつある中、ETA2801-2を搭載している限られた最終モデルです。
現行モデルと同様のモダンなデザインに、あえて従来の旗艦ムーブメントを積んだH69429901は手巻き時計の王道であり、完成形であると言って良いでしょう。
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