セイコープロスペックスSBDC031の特徴は大振りな時計本体と非常になめらかなフォルムを持つ美しいケースデザインです。
腕に装着したときの付け心地は時計と言うより何か上品質な道具を身につけている感覚を味わえるでしょう。
やや丸みを帯びた存在感のあるケース
ステンレスに光沢を持たせるのではなく、ケースのラインに従った目に見えない磨き目を残すのがここ近年で流行っている仕上げのようです。
SBDC031もケース両脇の流線型に沿った磨きがかけられているように見えます。
こうした側面の仕上げと斜めに配置された竜頭が、SBDCシリーズの魅力であることは間違いありません。
ラグの幅は20mmで、これはSBDY007(通称SAMURAI)などの22mmより細くなっていますが、どちらもケースデザインとブレス幅のバランスはとれています。
また、このモデルの特長として回転ベゼルのデザインがシンプルでありながら文字の大きさが大胆です。
ベゼルに書き込まれた書体については好みが分かれるようですが、時代の流れからは全く違和感を感じない書体であると言えるでしょう。
搭載ムーブメントは6R15
SBDC031はSARB033(SARBは新品で入手)と同じく6R15ムーブメントを採用しています。
実は、SBDC031を含め6R15搭載機種を他に2本所有していますが、これら3本とも私のもとへ届いた時点で日差で数秒の遅れがありました。
新品も中古もすべて遅れ歩度。外見は綺麗な中古なのに指す時間が遅れているのは頂けないのでどれも一度裏蓋を開けて自分で歩度調整を行いました。
今まで所有した、7S26、4R35などは未調整で進み歩度だっただけに6R15はこういう仕様なのかと少し首を傾げた次第です。
SBDC031は道具のように持ち歩く時計
一般的な評価として、SBDC031を含めこのシリーズのダイバーズは高級時計とはいかないまでも、名前通りプロ向けの高性能時計と言った位置づけであります。
同じSEIKOのSBDYシリーズの愛称が「侍」であるのに対してSBDC031のデザインには鋭さがなくズッシリと落ち着いたイメージです。
重さを測ってみるとみると177グラムと重量級。
海外のSEIKO愛好家が付けた名前がスモーだそうですが、どちらかというと磨きの効いた「棍棒」のような風合いではないでしょうか。
この時計に対し我々日本人が受ける印象として「SUMO」はないだろうというのが多数派の意見とは思いますが、それに対抗して相応しい「あだ名」みたいなのは未だに付されていません。
SBDCシリーズのケースは他の上級モデルと比べても、金属の質感を大々的に表現しているモデルです。
腕に装着した感じも時計を身につけたというより「時」を操る道具を身につけているに近いものがあります。
実在する工具に例えるなら両口スパナあたりでしょうか。
スパナという例えが良いかどうかは分かりませんが、SEIKOが生み出した精密で美しい機械を他に例えるとしたら上品質な鋼の工具というのもありだと思います。
大人が時計を選ぶ条件として、機能的、デザイン的に長く使えることが大事ですが、SBDC031はダイバーズウォッチとしてこの条件を広く満たしてくれる時計であることでしょう。
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