この時計は動きませんと言われても、「実は何とかなるんじゃない?」と考えてしまうのは過去に少しばかり修理の成功体験が残っているからなのでしょう。
今回も、そんな僅かな根拠に基づく自信を発揮させる対象として扱われてしまったのは不動品として入手したガーミンのForeAthlete235Jです。
見た感じ動きそうなForeAthlete235J
このForeAthlete235Jは外見で確認できる劣化も少なくバッテリーを交換したら動くのではという期待を感じさせるものです。
ただし、事前に分かっていたとおり充電器を接続しても何も反応はなくケース裏にある接点を磨いても一切効果なしと言った状況です。
とりあえずバッテリーを交換するためケースを開けてみることにします。
LCDを取り外して基盤にアクセス
ForeAthlete235Jは他の同世代でタイプの似たガーミンウォッチと同じく内部のバッテリー(基盤)へアクセスするには表面の液晶画面をくり抜いて外すことになります。
ドライヤーで本体の外周を暖めてから、薄い金属板状の工具をLCDとケースの接着面に差し込んでいきます。
LCDパネルを接着面から分離できたら下側にコネクタを保護している緑色のシートが見えるのでこれを外します。
この緑色のテープみたいなものは組み立てる際に再利用するので捨てずに取っておきます。
縦においた状態で右側のケーブルを外すとLCDが取り外し可能になります。
もう片方はケース側から来ているものですが、これも外しておきます。
T5のトルクスドライバーを使って2本のネジを外すとケースから基盤を外すことが出来ます。
この基盤を持ち上げたときにケースにゴミみたいなものが残っていたのが気になり内部を確認してみるとなかなかの故障品であったことが判明しました。
想定外の基盤不良を確認
裏返した基盤をよく見てみると充電用の端子に繋がる接点が2カ所基盤から剥がれ落ちていることが分かります。
剥がれ落ちている接点の大きさは幅が1mmあるかないか程度の小ささで表面に腐食が見られます。
水分が進入したか接合部分が劣化で剥がれたことにより回路がショートを起こしてスパークしたと思われます。周囲の汚れ具合からしてショーとしたときにはそばにいた人が分かるような音が出たのではないでしょうか。
残念ながら、不動の原因がバッテリーの劣化や消耗ではなく明らかな故障があったのは分かりました。
剥がれた2個のパーツは、サイズからして自分では、はんだ付けが難しい感じでしたが、このままではゴミとして処分するほかないのでダメもとではんだ付けしてみることにします。
剥がれた接点は、他の原因が分からない基盤不良のForeAthlete620Jから2個剥がして取り出し移植することにしました。
そして、素人はんだ付けで復活した接点が画像のものです。
一番左の接点が斜めになっていますが、作業にこれ以上のクオリティーを追求しても仕上がりは良くならないと判断しました。
このほか、ケース側の接点にもショートによるものと見られる先端の欠損があったのでケースも別なものへ交換です。
起動は出来たがボタンが一つ反応しない
基盤を用意した別のケースに固定しLCDとケースのケーブルを固定。
コネクタ用の保護テープも元通りに張り付けます。
この時点で左上の電源ボタンを押してみると無事起動をすませることができ時刻の表示も可能な状態でしたが、一つ解決できていない不具合が残っていました。
右上のボタンが押しても反応がなく、ボタンの感触も他の4つに比べ押したときのプチプチ感が足りません。
再び基盤を取り出して確認してみると、故障原因となったショートが隣にあるボタンに波及したのか、もしくは逆にボタンの故障がショートに関係しているのか場所的に何かしらの関連がありそうです。
不良ボタンも接点と同じように他のジャンク品から流用できないか考えてみましたが、基盤の他の部分へ影響を与えずボタンだけを交換するのは難しいようなので今回はこのままにすることにしました。
完全に復活させたい気持ちも山々ですが、このGARMIN235Jについては起動が果たせただけでも奇跡です。
ForeAthlete235Jは右上ボタンが押せないとGPSの捕捉ができずアクティビティの計測もスタートできません。
電源もオフにできないので、もし電源を落としたいときは強制的にオフ(左上ボタン長時間長押し)にするしかありません。この方法でオフにすると次回起動時に電源オフ時の時間を表示することになります。
なお、GPSの捕捉ができないので時刻の補正もできません。
GARMIN Connectには接続できますがデバイス側の設定が更新できない状態では、数時間たっても時刻の同期ができないことになり、いつどういったタイミングで時刻が修正されるか今のところ分かっていません。
そんなわけで非常に心残りですが、とりあえず今回はこの状態でLCDを閉じることにします。
中途半端に起動ができた235Jは、時刻の同期さえできれば時計としての使用や歩数、心拍数の計測は可能なようです。
また、ForeAthleteモデルそのものがGARMINのスマートウォッチモデルのようにストレス計測などライフログの計測には特化していないようで、アクティビティの計測ができないForeAthleteはGarmin Connect Mobileに歩数と心拍数を単純に表示できる機能を持つだけになりそうです。
そんなことで、235Jについてはしばらくこのままにして気分が向いたとき、失敗してもいいからボタン交換してみたいという気持ちになったとき再び基盤を取り出してみようと考えています。
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