6R15の互換ムーブメントNE15をどう使う

アナログ腕時計

セイコー6R15の外販向けとして知られるNE15ムーブメントですが、結構お目にかかる機会が少ないもので4R35相当のNH35(NH36)などと比べるとネットでの情報も限られます。

NH35が手頃で扱いやすい為に、そのワンランク上の性能に時計メーカーやユーザーの目線が向かないということなのでしょうか。

そんな謎の国産ムーブメントNE15を一つ入手してみました。

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NE15の機械形状

NE15(6R15)の外観はNH35とそれほど違いはありません。

NE15Cムーブメント

6R15同等のNE15Cムーブメント

6時側から見たNE15

もちろん使用しているパーツは要所要所で別なものが使用されていることでしょう。

それから以前にNH35の特徴として記事にさせて頂いていたケースへムーブメントを固定する際に使用するネジの取り付け場所ですが、NE15でも同じく1カ所不足していることが分かりました。

6R15にある機止板設置場所

矢印の場所に窪みとネジ穴がない

画像の右上に置いてあるのが6R15です。

6R15同等品とのことなのでNE15には当然あるだろうと見込んでいた窪みとねじ穴がありませんので、6R搭載機の時計をメンテナンスすることを目的にこのムーブメントを買い求めた場合、戸惑うことになるので単純に6R15の入れ替え用としては使えないと考えた方が無難でしょう。

SEIKOメカニカルSARB033用の中枠
4R35の外販向けムーブメントNH35をSEIKOメカニカルSARB033(035)に搭載されている6R15の代替品として載せ替えようと考えても肝心の機械の固定に使用されている金属枠が適合しないことがあります。

時計好きが求める機械性能

NE15あたりの安定した性能になると、一部の時計ファン特にSEIKOファンにとっては過剰なスペックになることもあるようです。

機械的な性能は「7S26」で必要充分で、NH35(4R35)などになれば手巻きと秒針停止が付いてて、このレベルでもはや言うことなしということなのでしょう。

それから、何個もの時計を使い回す人にとって、長いパワーリザーブは正に無用の長物となってしまうことが考えられます。

気分によって、またはその場の雰囲気に合わせて時計を選びたいとなると、自動で巻き上げられた分でその日一日を過ごすことができれば不自由はありません。

日差も4R35ほどの精度があれば日常生活に支障がないとも考えられるでしょう。

NH35とくらべNE15の情報が少なく感じるのはこうした事情からとも考えられますが、それ以前にNE15がそもそも入手しづらいとか私達の知らない業界の事情というのもあるのかもしれません。

市販のNE15搭載機

SEIKOの外販向けムーブメントと言われるNE15ですが、このNE15を利用して製品化された腕時計というのを調べてみると、GSXといいう国内メーカーから発売されている時計があってしかもデザイン的に評価が高いとこことです。

ワクワクしながらメーカーサイトを見に行ったら驚きの情報を見つけてしまいました。

GSX_WATCH_JAPANは今月いっぱい(2020年7月で)終了との案内がされています。

時計の製造が困難とのことなので、部品の供給など、ここのところ流行している感染症の影響があったのでしょう。

GSX以外のブランドではと調べてみましたが、他に目立った時計メーカーというのは見あたりませんでした。

6R15相当とされるNE15の価値

SIIのNE15C

現在、私のような一時計ファンにとってNE15は入手難の状態と言えます。

NH35は買おうと思えばカスタムマニア向けに出品されているサイトなどから簡単に購入可能です。

それに比べ昨今6R機搭載モデルが格上げになったことがきっかけなのか(それとももともと?)NE15の単体でも販売価格が高価です。

そして一般のユーザーとっては購入できる場所が極限られていて、取り扱っているであろう時計店に問い合わせてみないことには購入できるかどうかも分からないと言うのが実状です。

NE15のローターのデザイン

ローターの装飾も6R15と似ている

今回記事で取り上げた個体のように、NE15を(手頃な価格で)入手できる場面は今後も多くはないような気がします。

ならば、このNE15ムーブメントを使用するケースというのも一つの拘りをもって選びたいところ。

中身は量産モデルの優等生6R15と同じ、いわば羊の皮を被った天才とも言える異色のムーブメント。

時計好きの方にとっては、裏スケルトンのガラスからチラリと見えるNE15の文字もきっと趣のある絵になることでしょう。

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