SEIKOのSARB033が登場するまでスピリットメカニカルSCVS011という黒文字板が格好良いい時計がありました。
このSCVS011は6R15搭載の時計なので使われている文字盤はSARB033のケースに入るのではと思っていたのですが、ベゼルの内側あたりの形状の違いからそのままでは入りません。
SCVS011というメカニカル時計
ことの始まりは色付きのサファイアガラス風防を販売している海外サイトで風防のカスタム例を示す画像を見ていたら一覧の中にケースの形状はSARB033だけど6、9、12のインデックスにアラビア数字を用いた時計が載っていました。
これも、おそらくモディファイ用に販売されている文字盤なのだろう、個性を発揮するのに良いパーツと判断し自分も購入できないかと探して見るもみあたりません。
しばらく、このアラビア数字の文字盤のことは忘れていたのですが、ネットオークションでオーバーホール練習用にと6R15のジャンク品を探していたところ、不動とまでは言えないものの安定動作しないSCVS011を見つけました。
セイコーのスピリットシリーズのメカニカル時計として販売されていた時計のようです。
ここでモディファイ用の社外品だとばかり思っていた文字盤はSCVS011用の文字盤だったことに気づいたわけです。
ケース形状がSARBで同じ6、9、12のダイヤルってのも有るのかも知れませんが、もう一昔以上前の時計と思われますので、こちらのSCVS011から文字盤を取り出すことにしました。
SARB033ケースには入らない文字盤
SCVS011のケースはSARB033のものに比べ大きさが一回り小くなっています。
ムーブメントは6R15Aで文字盤に針をつけたまま、一式でSARB033のケースに移植が可能かと思っていましたが、ケース内側、特にベゼルの辺りの形状が異なるらしく、ケースに入ることは入るのですがSCVS011の文字盤にはチャプターリングの役目を果たす外周の突起がなく、SARB033(035)のケースにも同様の文字盤の外周を固定できるような形状になっていません。
つまりSARBのケースでは風防側から文字盤を固定できない構造になっています。
海外サイトで見かけたSARB033のケースは違うものだったのか、加工を施した物なのか、それとも製品として存在していたモデルなのか?
SCVS001のケースを使う
丸みがあるSARBシリーズのケースを使うにはベゼルの移植なども手法としては候補にあがりますが、ベゼルの取り付けがこれまた玄人技を要するので諦めることに。
そこで、手持ちのジャンク時計のSCVS001のケースを試しに使ってみると同じスピリットシリーズだけあって、文字盤の大きさは異なるものの一応ケースへの固定は可能でした。
私がネットで見た組み合わせは、SCVS001のケースにSCVA011の文字盤を入れ風防まで社外品に変更したカスタムウォッチだったのかも知れません。
SCVS001文字盤載せ替えカスタム
目指していたものが見えてきたところで、早速SCVS011から文字盤を取り出します。
時計を正面から確認もできますが、SCVS011のベゼルの内側は黒いリングが入っていってベゼルを外さないと別な物へ交換できないように見えます。
ということは、SCVS001から取り出した文字盤を逆にSCVS011ケースへ移すとなると白(クリーム色)の文字盤の周りに黒いリングが配置されるようになるのでSCVS001の文字盤が持つデザイン性が著しく損なわれそうです。
なんとなく理想の組み合わせを画像にしたら、もとに戻したほうが両方とも有効に使えそうです。
一つの組み合わせに拘ったあげく、二つの時計が一つだけになってしまうのは腑に落ちません。
それにSCVS001のような針と文字盤の組み合わせも今では見られず希少なものと評価できます。
そんなことを思いながら仕上がったSCVSのニコイチカスタムがこちらです。
なかなか良い感じの組み合わせではないでしょうか。針は初めてベンツ針を採用しました。
カレンダーを白に変更していますが、それほど違和感はないかなと思います。
最後にSARB033と比較してみました。右のSARB033が大きく見えるのは金属ブレスのバックルのせいで少し手前に迫っているからで両方同じ大きさです。
画像として保存が出来たので、後でこのベンツ針を採用したまま元のSCVS011のケースに戻そうと思います。
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