価格が手ごろなスマートリングは本格運用にアプリに不安があって、有名メーカーのモデルならGalaxyRingはウォッチやスマホも一緒に揃えるのが理想だと考えるならブランド的な評価や魅力が及ばないかといった印象です。
なお、情報が入った時点で個人的には最本命とも考えたAmazfitの「Helio Ring」はようやく形が見えてきたところで、これから販売が開始されたあと腰を据えて運用を開始するには時間がかかりそう。
そんなことから、脱スマートウォッチの手段として最も相応しいスマートリングとして評価が安定しつつある国産の「SOXAI RING」を使うことにしました。
無難に使えるスマートリング SOXAI RING 1
本格運用のために使い始めることにした「SOXAI RING 1」はSOXAI RINGの現行モデル。
使い始めたのは8月の終わりごろからで、睡眠など健康に関するデータもある程度アプリに蓄積されてきたところです。
SOXAI RING 1の形状は、試しに使ってみた格安スマートリングと比べ少し大きいかなと感じます。
というのもリングの外径が真円ではなく指の甲側に向ける部分に厚みがあります。
また内側に目立つ3つセンサーのうち中央の赤い点滅をするセンサーが内側に出ていて身につける指の腹を圧迫するため、人によっては気になるかもしれません。
画像のSOXAI RING 1は18サイズでカラーがマッドグレーです。
重さは約3グラムですが、外装がチタンなのでステンレスの初期モデルSOXAI RING1より軽量化が実現できています。
装着した感じは重さよりもリングの肉厚や幅の広さが慣れるまで気になるかもしれません。
SOXAI RINGが優れているポイント
実際に使ってみた大手ショッピングサイトなどで見かける安価で入手しやすいスマートリングと比べて、SOXAI RINGが評価できる点としては次の3点があげられます。
- 独自の設計に基づいた製品仕様
- 国内企業が開発した製品である
- 他メーカーのモデルと比較してアプリの信頼性が高い
この3点について少し掘り下げてみたいと思いますが、格安モデルのスマートリングも短期間の使用では本体の作りに問題を感じる場面はそれほど多くありませんでした。そんななか、もっとも気になったのは3番目に取り上げた使用するアプリの信頼性にについてです。
独自の設計に基づいた製品仕様
SOXAI RINGは他の無名な海外製品のスマートリングと比べ内部に組み込まれているパーツに別なものが使われています。
というのも格安スマートリングの殆どは心拍センサーや充電中に点灯するランプの明るさが似通っているので共通の同じパーツが使われている可能性があります。
もちろん全て同じものという訳ではなさそうですが、例えば二つの異なるスマートリング製品AとBがあって製品A用に公開されているアプリを使って製品Bとペアリングができて製品Bに搭載されるセンサーで取得したデータも製品A用のアプリで取得してグラフ表示が可能だったりします。
これはBluetoothのチップと一部のセンサーに共通のものが使われていることを意味しているとも考えられます。
この点、SOXAI RINGは緑や赤に光るそれぞれのセンサーも光源となるパーツが小さいもので、海外格安品とはパーツの共通性が確認できません。
充電システムも海外モデルはUSB電源のコネクタが丸く共通の形をしたものが用いられていて、これも製品AのケーブルでBを充電、またその逆の流用も可能でした。
SOXAI RINGの充電機構はNFCによる非接触の充電方法が用いられており、充電中の発熱が若干気になったりはするものの充電ポートの接点が肌に直接接触することはありません。
ただ、この非接触タイプの充電方法はSOXAI RINGが特に優れているわけでもなくオーラリングなんかも先行して採用していて、最近だとNFC充電を採用した中国製品も出てきているようです。
国内企業の開発した製品である
これは今さら特筆すべき点ではなさそうですが、Amazonなどで日本製だと評価されているスマートリングが実はメーカーの公式サイトでは一切国産かどうかを公言せず沈黙を守っています。
この日本製と評価されているスマートリングも実際には中国製のモデルと外見が同じで、専用アプリもまったく同じものとの情報が確認できています。つまり第三者から見るにメーカーは国内産とは発言してないのに評価が先走っているかの状況です。
そんなことから、国内産スマートリングとしてはSOXAI RINGが先駆者的存在であるのは間違いないのと、製造者を含め自他ともに国産だと認めていて、かつ、それなりの販売数を誇っているのがSOXAI RINGだと言えるでしょう。
他のモデルと比較してアプリの信頼性が高い
格安スマートリングを実際に使ってみて本格的に使用するに至らなかった理由はスマホにインストールするアプリにあります。
価格が魅力的なスマートリングには、なぜか動きを感知するセンサーを利用して「手を振るとスマホのシャッターが切れる」などという機能が付いています。
この機能を有効に使うためにはカメラ機能や画像フォルダへアクセスできる権限をアプリに許可しなければならないのですが、そもそも健康管理を目的に身につけるスマートリングにシャッター機能など期待していないのが普通ではないでしょうか。
このカメラや画像フォルダに絡めた機能に疑いが残るのに加え、アプリそのものの開発者がはっきり分からないのがどうにも安心できません。
スマートリングに限らずこの手の安価なデバイスが複数の異なるブランドから似たような製品を数多く販売しているのは珍しくありませんが、メインのスマホにインストールするアプリだけは信頼できる開発元で作成されたものであって欲しいのは一般に求められる条件といって良いでしょう。
このアプリの信頼性という点ではオーラリングなどの既知のブランドであるか、大手が開発したアプリであるかが許容できる条件ではないでしょうか。
SOXAI RINGも特に信頼性が高いという位置づけではありませんが、少なくとも他のブランドと天秤にかけた場合使ってもいいかなと判断できるのは、製品の発売前から現在に至るまでネガティブな評価も含め国内での情報が多く出回っているからと言えます。
リング屋のスマートリングだから割り切れる
現時点でスマートリングを発売または発売を予定しているメーカーは、Oura Ringなど一部を除いてスマートウォッチも同時に展開していることが多いです。
先にレビューしている中国製の格安版も同じで共通のアプリでウォッチもリングも運用が可能になっていたりします。
これは、リングよりも機能が充実しているスマートウォッチを一緒に使ってもらえれば、アプリを介してどちらのデバイスも販売の促進に有効になるのでマーケティングの面からも当然と言えるでしょう。
使う側にとっても同じアプリでデータを取得できる予備のデバイスがあることでより安定したデータ運用が可能になりそうです。
そうした反面、ライフログの取得に神経質になり過ぎない、またはデータの損失リスクを回避するという視点から見れば、逆に使うアプリやデバイスを共通のメーカーに統一せず運用するのもありでしょう。
特に、餅は餅屋という視点からもSOXSAI RINGという選択は特定のアプリに依存しないということに関連して上手く割り切ることができるメリットがあると考えます。
もちろんスマートウォッチのように扱うには小回りが利かず、日頃のアクティビティ(運動習慣)の管理にはスマートウォッチを持ち出す場面があるかとは思いますが、そうしたシーンに完璧を求めない曖昧さを残しておくことこそデジタル時代を生き抜くために必要な強さや忍耐力に似た能力なんだという意識も大事ではないでしょうか。
特に私のようにアナログウォッチへの回帰を目的にスマートリングを使用する者にとって、主体をリング側に置くことを意識するためにもこうした割り切りは意味があることでしょう。
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