前回のステップ2まで焦る気持ちを押さえて段階的に進めてきた趣味の時計オーバーホールは1番受の取り付けが終わったところで区切りをつけていました。
あとはゼンマイを巻き上げて動作するかの確認を含めた仕上げの段階へ移っていくことにします。
アンクルの取付けとゼンマイの巻き上げ
7S系ムーブメントではザラ回しで歯車の動きが確認出来たら角穴車を組む手順があるようですが、ここではアンクルを先に組むことにしました。
アンクルの爪に注油を済ませたら、ガンギ車に爪を向けてアンクルをセットします。
続いてアンクル受をセットしてアンクルの動きに問題がないか確認。
不自然なガタツキがないかを確認しながらネジを1本ずつ締めます。
アンクル受への注油
アンクル受がセット出来たら石穴に注油を済ませます。
注油が済んだら角穴車をセットしネジ止めします。
ゼンマイを巻き上げてテンプを入れる
角穴車が固定出来たら締めたネジをそのまま回し続ける要領でゼンマイを数回巻き上げます。

軽く触っただけで動くことを確認する

振り石が入りやすいよう外側へ向ける
アンクルの先を少し突いただけで弾けるように動作するのが確認出来たら地板の外側方向へ向けておきます。
ピンセットでテンプ受を持って右回転させように(地板側を左回転させたほうが楽?)地板にセットします。この作業のコツというのが正直未だに分かりかねています。
テンプの振りが確認出来たら1番受の表側にある注油箇所をチェックし2番伝え車をセットします。
この2番伝え車を入れる場所は関連するパーツにバネによるテンションがかかっているので組合せに注意しながらセットします。気のせいかどうかリューズを巻き上げとは逆方向に回しながらだど入りそうな気がしますが、弾かれて飛ぶことがあるので注意です。
この2番伝え車は爪レバーで押されて回転し、手巻きのときは無理に滑らせたりするので外周への注油をしておかなければなりません。
2番伝え車に2本のレバーをセットしたら自動巻輪列受を被せてネジ2本で固定します。
ここまで組み立てることができたら巻真を回すことで4R35B(NH35、6R15も同じ)の手巻きが可能になります。
文字盤側を仕上げる前にここで一度タイムグラファーに載せて振り角などのチェックをしておいても良いかもしれません。
文字盤側の組み立て
ケースに入れる際に樹脂製のスペーサーを使う場合はこのタイミング(またはもっと早い段階)で入れてしまいます。
ムーブメントの文字盤側へ返して、筒カナがしっかり差し込まれていることを再度確認し指定か所へ注油します。
続いて日の裏車と筒車をセットし、カレンダー周りを仕上げますが今回はノンデイト仕様に仕上げるため画像のパーツだけを組み込みます。
カレンダーを省略するには要らないパーツもありますが、取付け場所のチェックと紛失防止のため組み込んでおくことにしました。
2枚のプレートを1枚ずつ丁寧に置いて4か所ネジ止めしたら文字盤側は完成です。
この状態から文字盤と針を取り付けてケースに組み込んでからタイムグラファーで振り角のチェックや日差の調整を行い最後にローターを取り付けます。
時計オーバーホールの流れ
NH35Aのオーバーホールに向けてカレンダー(日車)を取り外す
NH35Aでメインの駆動系パーツを分解【趣味で楽しむ時計オーバーホール】
趣味で楽しむ時計のオーバーホール4R35B(NH35A):組み立て編ステップ1
焦らず地道に進める時計のオーバーホール4R35B(NH35A):組み立て編ステップ2
ここまで出来たら動いてほしい時計のオーバーホール4R35B(NH35A):組み立て編ステップ3 いまココ