WristCamera_WQV-2はCASIOから発売されていた腕時計型のデジタルカメラです。
モノクロのモニタ画面を搭載し撮影画像もモノクロという仕様でしたが、当時としては形が腕時計そのものの小型のカメラが実在の物になったという革新的な製品でした。
WQV-2の外形
リストカメラWQV-2はその名で分かる通り、金属バンドを用いた上位機種のWQV-1が存在していてWQV-2はその廉価版にあたる製品として登場しました。
発表当初にリストカメラの存在を知ったのは雑誌か何かだったと記憶しています。
モノクロといえど、デジカメの機能を腕時計の形に詰め込むのだから腕時計型といってもそれは、時計本体部分が妙に大きい形のものに違いないと実物を見るまで疑っていたのを覚えています。
画像はSEIKO5と並べてみたところですが、ごらんの通りWristCamera_WQV-2が極端に大きすぎるというほどでもありません。
へたすると、カシオの現行モデルにあるGショックやプロトレックなどの上位モデルのほうが大きいのではとも感じるほどです。
左側面にはメニューボタンを含め2つのボタンがあります。
右側には3つのボタンがあります。
本体の裏は電池交換が容易に可能な仕組みになっていて、使用するボタン電池はCR2032と入手しやすい電池が使用可能でした。
カメラ機能
本体の上部にはカメラのレンズとPCなどへのデータ送受信に使用する赤外線が配置されています。
カメラとして使用しないときはモニタ画面に時計表示もできますが、一定の時間が経つとスリープして液晶画面には何も表示されなくなり、時間を確認したいときにどれかボタンを押すと時計表示が復帰するようになっています。
リストカメラで撮影した画像
WQV-2で撮影した画像は、内部のメモリに保存され本体の液晶画面で見ることができます。
画質は、この時代のしかもモノクロですのでお世辞にも良いものとは言えません。
例えば人の表情が分かる写真を撮影するためには顔が液晶モニタいっぱいに写るようアップで撮る必要があるでしょう。
撮った画像データは赤外線で送信
リストカメラで撮影した画像をPCに保存するために赤外線通信を使う必要があります。
※後日、Windows98PCで赤外線転送してみました。
今では、情報端末はパソコンだけに限らずタブレットやスマホなどがありますが当時はデータ保存と言えばほぼパソコンでした。
パソコン側でのデータ受信には専用の赤外線デバイス(CASIO:PAD-2)が存在しましたが、当時のノートPCに搭載されていた赤外線ポートが使用できたかどうかは確認できていません。
リストカメラは何に使えるのか
カメラが腕時計型であるという点は今の時代も物珍しいものではありますが、その使用用途は何かと問われると答えに詰まる部分があります。
まあ、変な目的に使うにはスペック不足なのは間違いないことは確かです。
正直この手のガジェットは、こんな小さなカメラが手元にあるということのみに喜びを感じられなければ意味がないのかもしれません。
これより小型で性能も勝るカメラが技術的に開発可能な現代では皆無なセンスですが、発売当初の時代ならスパイ映画に登場しそうなカメラツールを自分も持っているぞという優越感だけをもって楽しむ製品なのだと言えるでしょう。
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