前回の記事の続きで自動巻き腕時計SARB033を自分でオーバーホールのため不動状態の機械式ムーブメント6R15を分解しています。
単純に部品をバラすだけなら簡単ですが、損傷しているパーツの有無を確認しながら後の組立を想定し要領よく作業をすることにしました。
なお、この分解作業は趣味の範囲で行ったものですので一般の修理には参考になりませんのでご注意ください。
ローター側
前回、角穴車を外したところで作業をストップしていましたが、さらに内側のパーツを取り除いていくことにします。
半円状のプレートの取り外し
機械を覆っている半円状の大きなパーツを取り外すと香箱車が見えてきます。
「こはぜ」と真ん中付近の2つの歯車を外せば香箱車が取り出せました。
てんぷ周りのパーツ
本来であれば、ここまでの工程の途中でゼンマイを開放しテンプ周りのパーツを外しておかなければなりませんが、この時計は中古として入手時にすでに「てんぷ受け」ごと取り外された不動品でした。
てんぷに関しては工程を省略し、アングルのカバーを外してアングルを取り出します。
次に、すぐ隣に見えるプレートを外すと「がんぎ車」が外せました。
ここまでバラしたところで文字盤側へ移ることにします。
文字盤側
ここで再度リューズを取り付けることにしました。
これより内部に進んでいくと巻き真で固定されていた小さな歯車が意に反して突然落下するためです。
ケースから外してすぐ戻しておけばよかったのですが気づきませんでした。
一番上の薄いプレートを外したところです。
この状態で日車と内側にある2枚目のプレート、白い小さな歯車が取り出せます。
さらに筒車と隣の歯車、ローター側から見えていた黒い樹脂製の歯車などを外します。
この時点で本体に残っている部品は、衝撃を与えなければ落ちてきませんが巻き真の横に平らにハマっている歯車はスペースに収まっているだけなので外したほうが良かったかもしれません。
作業範囲を身の丈に止めることに
今回の分解作業はこの辺までにしたいと思います。
後はパーツを軽く清掃して注油しながら組み立てていくことにしました。
もちろん、これより細部までパーツを外していくことも可能ですが、趣味の範囲でのオーバーホールとしては得られるメリットよりもリスクが増すことになるので、ここは身の丈に合った作業範囲にとどめておくことにします。
セイコーのメカニカルSARB033(035)は完成度の高い時計です。
自分の能力の及ばない部分にまで手を付けて、せっかくのクオリティーを損なうことのないよう気を付けます。